何をしておるんだ、と思うようなポーズで寝ていた。
寝ぼけて引きずり出したらしい《コインロッカー・ベイビーズ》が胸の上に落ちている。腕は本を読むかたちにまがっていて、素直に寝ればいいのに、ぐずる赤ちゃんのように、わたしは何度も村上龍を手にしては、さほど美しくもない顔面を文庫本で直撃し、その都度起き、また本を読みながら眠る。
独特の段落の少ないページの活字が遠ざかるのは、クロウリーの魔術にも似ている。読もうとして目をこらすと、活字は余計に遠ざかる。睡眠薬にさえ打ち勝とうとするこの気力は、勉学や家事にこそ活かされたいものだ(書いて自爆)

結局、寝て起きてから読んでいる。
わたしにとって本とは、赤ちゃんのおしゃぶりのようなものなのだろうか?>落ち着くし