眠れない夜から何とか眠りを得て目覚めると、いつもわたしが座っている座布団に猫が吐いて汚していた。いつもなら、薄めた洗剤をしみ込ませたタオルで汚れ取りをする。だが、この日はそんな気力もなく、かといって放っておくわけにもいかず、表示を見てから洗濯機に放り込む。とにかく動きたくない。
なのに全ての薬が今日必要で、這ってでも貰ってこなくてはならない。理不尽。

解放されたい。病からもこの煩わしい日常からも、しがらみからも、苦しみからも。
わたしを苛むもの全てから。
…とにかく、だるい。


わたしは何をしているのだろう。
病気の母親に優しい言葉を投げつけて。
そんな余裕などどこにもないのに。
なのに反射的に出てくるのは、いつも母親を思いやる言葉。
無理しないで、家事なら妹とおじさんとするし…嘘つき。わたしはあの2人が反吐が出るほど嫌いになるときがあるのに。
あの人に言いたい言葉が何だったのか、今のわたしにはもう思い出せない。