エビリファイの増量直後から、昼夜逆転生活が始まった。
主治医は「エビリファイには覚醒効果が含まれる」と言ってリタリンと併用させたくないようだったが…わたしの場合、覚醒より眠気が来てしまった。そして、お決まりの頭痛……季節の変わり目に、薬を変えるのはつらいものがある。だが、今までの処方で効き目がなかったり、副作用が出てしまったりしたのだから、エビリファイに賭けたい気持ちは、主治医もわたしも変わらない。

この頃、涙もろい。
単に季節がそうさせているのか、それとも薬のせいなのか、アナフラニールをやめてしまったからなのか、区別はつかない。ただ、過ぎ去った時間を思うとき、わたしには『痛いもの』しか思い浮かべられない。生きていれば、生きてさえいれば、嬉しいことだって、楽しいことだって、気持ちのいいことだってあるはずなのに、今のわたしには、苦しくて、痛くて、つらいことしか思い出せない。
エビリファイなんて投げ捨てて、アナフラニールに戻りたくなる。そうしたら頭痛だってしない。昼夜逆転だってしなかった。「ちくしょう」という気持ちでいっぱいになっても、それでもわたしは、エビリファイが1%の可能性でも持っているならば、99の楽よりも、1の苦労を選んでしまう。
そんな人間なんだ、と思ったら、あきらめもついた。

楽を選んでしまうことも、あるけれど。
楽してばかりでは、何も変わらないこともある。
よく「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言うが、今のわたしがまさにそんな具合なのだろう。決してもう「若い」とは言えない年齢になってしまったが、わたしの時間はずっと止まっていた。


これから、歩いていかねばならない。
わたしの道というものを。