定期診察で、ブロバリンと海の話をした。
「こらえて下さい」
そう主治医は言った。
さいわい毎日のようにこんな考えは浮かんでくるわけではなく、ふとした瞬間に訪れ、ある程度の持続が見られる……まるで何かの発作みたいに。


ブロバリンをこれ以上与えると本当にやりかねないと思ったのか、主治医はベゲタミンをくれた。赤くないベゲタミンではないが、もはや飲んでも飴玉にラムネ感覚。眠れないくせに、未明になると気絶する。
体内時計がずれてしまっているのだ。
早めに薬を飲んでも、ゴロゴロと転がっているほかにすべはない。
悔しい。せっかく治ったと思ったら、また吸血鬼だ。