わたしが食べるのは、家でだけだということが判明する。
外食だと見栄をはっているせいもあるが、緊張してお腹に入ってこない。お腹のほうが食べ物を拒否する。ずっと外出していたら、とんとん拍子に痩せてくれそうな体質だな、オイ>実際、大学ではご飯を食べなくて授業が入ってこなかった過去あり
誰か安心できる人がついていてくれれば食べるが、横に人が来るともう駄目で、ほとんど食べられない。それが進むと口が開けられなくなる。

視線が気になって気になってしょうがない。太りだしてから、視線恐怖が特にひどくなっている。
笑われているような気がするから。
そんなもの「気がする」だけなのに、むしろガリガリの頃は視線なんて快楽としかいえない感覚しかなかったのに(どちらも不健康であることにかわりはなく「肋骨と骨盤が出てる? ファティマだー、怖いから寄らないで!!」と言われたこともあるが、極端に痩せているわたしはエヘヘと笑うだけ)、太ることイコール、わたしにとって「恐怖」そのものなのだろう。
外で障害者手帳を平気で使うことは平気なのに(交通費とか安いから。わたしは外見からは障害がわからない)、太っている人、と思われるほうが耐えられない。こんな自分、かなりどうかしていると思う。
ここまでくると、外出さえもが恐怖になる。ジャケットで体のラインを極力隠してからじゃないと気がすまないし、ジーンズは――痩せている頃からもそうだったけど――きつめじゃないと厭だ。病気だ、と思うし、たぶんこれは病気の部類に入るのだろう。
痩せたら嬉々として出かけるわけでもない。
パラソルで顔を隠すのが大好きなのだ。そうすると安心する。逆説的に言うと、わたしはパラソルがないと落ち着かなくてしょうがなくなる。シミができちゃう。顔が見えちゃう。自分の顔を見られるのも人の顔を見るのも駄目――…パラソルがないと、外に出られない。

こんなわたしは病気だ。
でも、恐怖のおおもとがわかったから、良いじゃないか。
治し甲斐があるというものだ。
開き直ってみたが、やはり他人の視線は苦手だ。
この季節はいつもよりも。