疲れると、判断力が低下する。それはずっと、当たり前のことだと思ってきたし、事実そうだった。発病してから、疲れたときは寝るに限るでしょう、とか言える人が羨ましかった。なぜなら、わたしは眠っても眠っても回復しなかったから。
脳だけが起きているのだ。
こんな理不尽なことがあるだろうか。


小さい頃から、わたしは歯ぎしりや寝言がすごい子供だったと、両親から聞く。
もっとも、父は適当に嘘で誤魔化してしまう人間なので、それを聞いても信じなかった。ところが、母に同じことを尋ねると、同じような内容だったのに驚いた。
「何の夢をみてるか知らないけど、頑張れ、とか…」
子供の頃だったので、わたしはまだ汚い言葉遣いを知らなかった。
今では「殺してやる」「この野郎」「ちくしょう」と叫んでいるらしい(笑)




夢の内容は、覚えていることもあれば、ない場合もある。
今日なんてすごく気色悪い虫のような生物が出てきたのに、うんうん唸っているだけで、自分の意志では起きられなかった。わたしはいつも、何かと闘っている。その『何か』は、人間であったり、どうしてか絶滅したはずの恐竜であったり、こんなん地球上に存在しててたまるかって思えてくるような気味の悪いものだったり、げんなりすることに核兵器だったりする。
闘っている夢は良い夢だとか言われても、やっぱり起き抜けはしんどい。
こんな夢ならまだ、現実との区別はつく。区別のつかないぐらいリアルな夢をみてしまうのが、いちばん疲れる。離婚したはずの両親が仲良くしていたり、震災がないままの神戸や、もう亡くなったはずの人が元気に喋っていたり、わたしの夢そのものに音や声がはっきりと再現されていることなどが。


失ったものがわたしのなかからは消えることはないと、
夢が何度も告げることが、
わたしには、いちばん苦しいものだ。




雨の日は、出かけるのが億劫になる。
火曜日と水曜日に診察を詰め込んでしまったので、月曜日はぼんやりとしていた。
でも、ぼんやりとしていると、どんどんつらいことを思い出すから、家事をした。
布巾が汚れているのが厭でしょうがなくて、漂白剤につけおき洗いをするが、思い出したのが寝る直前で、もう薬も飲んでいる。洗剤が違うから洗濯機に入れると、他のものまで脱色する危険があると思ったときには、素手で洗っていた。
ろくに食べられない手は荒れていて、爪が二重になってはがれる。


こんな手で、守れるものは、何もない。
自分すらも――
何ひとつ。

服薬リスト 20060221現在

朝夕‥タリオン10
   デパケン200
   トレドミン50
夕‥‥テルネリン
食後‥ワイパックス1.0
   ニポラジン
眠前‥セロクエル25
   ハルシオン0.25×2
   エバミール1.0
   リスミー
   ムコスタ100
頓服‥ソラナックス0.8
   ナウゼリン
   レルパックス
   リタリン
   ブロバリン

定期診察にて寝つきが極端に悪いため、服薬リスト変更。
マイスリーハルシオンアモバンは飲めないのでブロバリン。致死量寸前らしい…
をいをい。いつ治るの…?