記憶が残らなくなってきた。どういうふうに脳が選別しているかは知らないが、これからの予定を並べて、それを実行することができても、実行後はほとんどすぐに忘れてしまう。忘れる、とまではいかなくても、「わたしがやった」という実感がなく、先程も父に「あ、お茶いれてくれたの? 有難う」と言って「あんたがいれたんでしょうが」と混乱させてしまった。
この日記を書いたことも、書き終えれば自分のものとして残らないかもしれない…

髪をカットしに行く。
前髪が、おろすと目に入って痛いので、自分で切るか、おろさないで分けるかしかなくなってしまい、そろそろ切りどきだということがわかる「前髪メーター」である。
「可愛い髪型ってありますか? 似合うかどうかは別として」
「ショートカットですね。元気で可愛らしくなります」
即座にあきらめた(笑)。髪の毛は、長いほうが好きだから。
短くしなくても、前髪をおろすと良いと言われたので、どうしても分かれてしまう前髪を、今回は多めに取ってもらう。却って地味な頭になってしまったように感じる>染めたり抜いたりしてないから
わたしはもともと、髪をいじってもらったりするのが気持ち良くて好きなので、美容院へ通うのは、楽しい。時間がかかっても、その時間そのものを、鏡を見つめているだけで、楽しく過ごせる。
美容師さんも、お客にじっと見つめられては仕事がしづらいかもしれないが、そういう客もいるのだ……
最後に前髪を調整するが、わたしは眠さあまりに寝ぼけていたようで、「これぐらいでよろしいですかね」「えーと…」「もう少し短くしましょうかね」「そうですね」切ってから「どうでしょう?」「良いですね」(顔に「なんか長い」と書いてあるが)…「もう少しカットして、すきばさみをいれましょう」「そうですね」なんてやり取りが、「これぐらいが丁度良いですっ」と顔と口に出る、最後まで続いた。
後は、自分でアレンジするのみ。お金がないのと、髪の毛が傷みやすいのとで、パーマはかけていない。髪の毛にまで栄養がいかなくなっていたわたしは、たくさんかさぶたを頭皮に作った――ストレスでむしっていた――し、枝毛でボロボロだった。新しく開発されたトリートメントが『栄養を与えてコシを出す』というものだったので、わたしの髪の毛はストパーをかけたりするよりずっと、真直ぐになってきている。嬉しいことだ。



帰りに、パンを買う。
やっと携帯充電アダプタも取りにいけた。