何にだって、終わりはある。
そう、たとえば、わたしのこの、いのちさえにも。

服薬リスト 20050929現在

朝夕‥タリオン10
   デパケン400
食後‥アナフラニール25
   ワイパックス1.0
   ニポラジン
眠前‥セロクエル25
   ハルシオン0.25×2
   エバミール2.0
   ムコスタ100
頓服‥ソラナックス0.4
   リスパダール
   ナウゼリン
   ラキソベロン
   レルパックス(ほぼ毎日)
   リタリン(数ヶ月に一度)
   酸化マグネシウム

だから永遠なんて、どこにもないのだ。
あるとするなら、そこはきっと、桃源郷

おまえのような悪い子には、そう、ひとを苦しませて哀しませてしまうような子には、ひどい罰が必要だと、薄笑いさえうかべて、わたしは手首にあてた刃を横に引く。
どうしてだろう。こんなに落ち着けるのは。
どうしてわたしは、こんなことをするのだろうか。何にもならぬというのに。


眠るときは、いつもこの香りをまとうのが好きだ。

媚薬のようにも、麻薬のようにも、わたしをやんわりととらえて放すことはなく、ゆったりと琥珀色の毒薬を満たしたバスタブに沈むように、眠らせてくれる。
ほっとする香り、というには、そんな恐ろしい表現が似つかわしくないだろうけど、やっぱりわたしは、この香りが好きで、たまらない。
また、悪い癖が出てきてしまったようで、わたしは何らかの香りをまとっていないと、そわそわする。香りの次は色、色の次は感触――そうした病的なこだわりが、またわたしを締めつけてきゅうくつにする。貴婦人のコルセットを締めつけて苦しみながら、気持ち良いとでもいうように。
「これが欲しかったのよ」
左手首がばんそうこうにまみれて、呟いた。