苦手なものは、たくさんある。中には「それで仕事ができるか!!」と、お叱りを喰らいそうな「苦手」も存在する。耳を使うことが苦手なのは、そういう体だから、しょうがないが、そうもいかない「苦手」は、もっと多い(と思う)
たとえば、なすびとピーマンが嫌いだとか、そういうことなのだけれども。
おねえちゃんになると、「コレ嫌い!!」って言えなくなるのは多少痛い。年齢の差もあって、14歳年上の姉が「ピーマンとなすびは食べません。だって嫌いだから」なんて言うのは、どーいうものかとも思う>面目まるつぶれ
これは単なる《食わず嫌い》の類いらしく、「美味しいから食べてみ!!」と言われてしぶしぶ口にすると、予想していたあのイヤンな味がなくて、本当に美味しいのだ。つまり、今までのは純粋に「嫌いというよりは、不味かった」…ということなんだろうか……? 私は食べ物を「不味い」と言ったことがない。「美味しくない」と「嫌い」と「好きじゃない」はよく言うが「不味い」と口にしたのは、数日前が初めてである。コンビニで買っておいたコラーゲン入りですよ!! と威張っているドリンクを飲んで「…不味い…」と呟いて、2度と飲まなかった。28年と半年を生きて「不味い」と言ったとき、わたしは「そうか、これが不味いということか!!」と、感動すらおぼえた。それでも、そのドリンクは2度とわたしの口には入らず、ただ「不味い」と言わしめた感動と、舌の上の毒としか言い表しようのない味だけを残していった。
にがい初恋のように(笑)

そのほかにも、苦手なものはたくさんある。
たとえば、女の子らしい言葉遣いと、しぐさ、化粧。
オフではこういうことは不思議にも露見しないので、実際に会った人になどは「本当に男かと思った」だの「もっと雄々しくて背丈がでっかいかと思った」だの、ひどい場合には「チャットで暴れているわりには小さい」…
女は見かけじゃないわ、中身よ!!(だから中身に問題があるんだろう自分)
そして何より、わたしは「おとなしくすること」が苦手だ。これを知っている人は、わたしがおとなしいと「具合が悪いのか」はたまた「悪いもの喰ったか」…
そんなにわたしは暴れているのだろうか。

そんな世間も『防災の日』。
なのに、さっそくどこかから、救急車と消防車らしき、けたたましいサイレンが真っ赤な光とともにわたしの横を突っ走っていく。ギョエー。防災の日にも病人や怪我人は出て、事故は起きるのかー!!
その場にうずくまってしまった。耳をふさいでうずくまっていると、「大丈夫ですか」と、勤め人らしき男性が心配そうに覗き込んでいるのに気づいた。
「すみません、救急車の音が駄目なんです」
親切な男性は「ああ、そうなんですか」と、「それならもう行っちゃったから大丈夫だなー」という顔をして、わたしが歩けるのを確認して去っていった。
有り難うございました。

「有り難く思ってくださいよ、優しくしてるのよ、思いやっているのよ」と決して感じさせはしない、さりげない優しい表情と態度にこそ、人はより有り難みを感じるものだと、実感した。
――わたしは、それができているだろうか?