花粉症が判明する。
10年前から「アレルギー物質である」と言われてはいた、イネ科の植物が因子の、夏の花粉症だ。くしゃみや鼻水もさることながら、喉にまで来る。去年、長いあいだわたしを苦しめてくれた「喘息のような咳」は、つまり花粉が原因だったということだ。花粉症では、なるほどコデインなど飲もうが効かず、レントゲンを撮ろうがわからなかったわけだ…耳鼻科で血液検査をすれば、もっと詳しいことがわかるだろう。しかし、困ったことに、症状が少し楽になるまでは、クリニック以上の遠さに位置する医大へ行くことができない。行って倒れてハイおしまい、なんていうことになりかねないので、32条を使って、アレルギーによく使われる薬をいただいてくる。
タリオンとニポラジン。
これが厭なら耳鼻科へ行け、と言われんばかりの処方である。

エバステルが効かないのは去年わかってしまっているし、それならもう、エバステルを飲むよりは、別の薬にしてしまったほうが害も少ない。ポララミンは医大での取り扱いが終わっていて、マイナーな薬は大病院では切り捨てられていく運命を知っているから、わざとクリニックにかかることを選ぶ。
クリニックならば、総合や医大で取り扱うのをやめてしまっている薬も、出してもらえることがある。自分にとっては良い薬でも、所詮マイナーなものは、鎮痛剤だろうが抗ヒスタミン剤だろうが、どんどん切り捨てられていく。それがシステムというものかもしれないが、これのお陰でわたしが飲める鎮痛剤は日本に存在していない。
これじゃあ、治る前に厚生省に殺されてしまいそうな気がするのだが…