新聞を読んでも、テレビを観ても、マンガを読んでも小説を読んでも、不意に泣き出してしまう。まず、新聞とテレビ、事故関連のニュースからはすべて遠ざかり、自室で村山由佳を筆頭とする、好きな作家の小説を読む。
おかしい。涙が止まらない――
これは、どうしたことなのか。


村山由佳作品が、わたしの痛い部分に触れるものでもあるからだろうが、おかしなことに、《天使の卵 エンジェルス・エッグ》を読み終えて、別のマンガに移ってからも、何でもないはずのシーンで泣けて泣けてしょうがない。
しまいには、泣くことそのものに疲れてしまい、本をほうり出してベッドに横たわり、天井を見上げる。それでも、おかしなことに涙は出るのだ。
寝返りをうつと、たまった涙が勝手にこぼれる。



わたしは、なぜ、泣いているのだろうか?
怒りからか。哀しみからか。
わからない。
ただ、ひとつだけわかるのは、この涙は寝ているあいだも流れていた、ということだけった。