うぉをっはぁぁぁぁああああぁっ!?
その瞬間、思ったことを声にするなら、まさにこんな感じだった。タバコを生理的に受け付けなくなってしまったわたしは、「へー、最近の柔軟剤ってタバコの匂いもカットできるの?」…単に目当ての柔軟剤がなかっただけという理由で、ちょっと違うものにチャレンジしてみた。
久しぶりに(そう。情けないけどわたしは毎日洗濯してません。具合が悪いと数日ためます)回した洗濯機は、壊れたので買い替えた新しいドライヤーと、どっちがうるさいかわからない。掃除機よりは静かかもしれないが、それは更衣室をできるだけ音をさせない工夫をしているだけなので、実際ドアや窓を開けたら、さぞうるさいんだろう。汚れている部分が綺麗になるのはいつも嬉しいもの、自分の体力もかえりみずに動いて果ててしまう(爆)
先日は掃除機をリビングじゅうに走らせて、換気を忘れたことに気づかないまま、棚をどけてまで掃除したら、てきめんに喉と鼻をやられ、「か、花粉症か!?」と、すでにラベンダーアレルギーなんていうセレブちっくな花粉症のわたしは、青くなったり冷汗をかいたりした。こんな部分だけ高級でも。
「家事は全力でやらないのがコツ」
というが、わたしは久しぶりの洗濯が嬉しくて嬉しくて、張り切って柔軟剤のシールをはがし、開封した。
んぬぁっ!?
この柔軟剤にはいったい何の成分が含まれているんだ? 見た目透明の容器にブルーの洗剤で、綺麗に見えて子供がいかにも外見で選びそうだ。そして香りは…これって…タバコの匂いをシャットアウトするとか寄せつけないっていうか、タバコの匂いより柔軟剤にたんまり香料をぶち込んで相殺しているんではないだろうか?
とはいえ、買ってしまったものはしょうがないし、自分で選んだものなので使う。
をはぁっ!?
我が家には浴室暖房兼乾燥機が設置されており、天気がぐずついているときなどとても重宝する。ただ、気をつけないと乾燥させすぎて、浴室にまで影響が出たりする。
干している時点で取れないこの香ばしさは何?
そして乾燥させるともっと香ばしくなるこれは何!?

… や ら れ た …
恋愛をはじめた頃から、気分的なもので香水をつけ始めた。
今では「ちょっとやりすぎ」と主治医に言われるくらい使っていて、使い方が半端ではない。夏、汗ががイヤでイヤで、クリニックに到着するなり「お手洗いを借ります!!」と、ウエットティッシュで気になる部分で拭けるところは全部拭いて、香水をちょっぴりつける、ということを毎回やっていた。クリニックのみならず、お手洗いの個室を使うチャンスがあれば、汗がイヤなときはいつもやる。それこそ真冬でも。
持ち歩いているのは、カリエスのときに「わたしが君に今あげられるものって、これしかないねんけど」と、お見舞いにきてくれた友達が、わたしにくれた小さなサイズのプチサボン。ひどくなると、家に戻って香水をつける癖まで出てきて、これはもうヤバいとは思っていたが(しかも、日によって好みがころころ変わり、洗い流して別の香水をつけねばならないときもある/そして遅刻頻発)、主治医に「わたしはそういう香水などのたしなみは好ましいと思うのですが、いささか気にし過ぎでは?」…と言われるに至った。
それもそうだろう。中学から高校にかけて「毎日朝にシャワーを使って、頭から足まで全身を清めないと登校するのもイヤだった」と告げたら、「冬に冷えきった浴室に飛び込むほうが、ずっと体に悪いと思います」みたいな顔をされたからだ。暖房なんてぜいたくなものがついたのは少し前で、それまでは冬でも砕け散るようにして温度がマイナスになってたかもしれないような浴室に裸で突入していたぐらいだった。いかにも心臓に悪そうだが、貧血っぽいわりには、わたしの心臓は強い。
今ではそんなことは、視界がブラックアウトして倒れるのでさすがにしないが、やはりシャワーすらままならない気分は、決してよろしくない。うつがひどいと、何もしなくなくなったりして、入浴のチャンスはさらに遠ざかる。入浴を簡単にするために髪の毛を短くしてしまいたいと思ったことも何度かあるが、そうすると今度は手術で剃った部分が隠れないし、髪の毛が短くなって洗うのが簡単になっても、体を洗う時間が延びるだけと気づいたから。


そして、わたしはむせながら、まだ柔軟剤の香りがする洗濯物を畳む作業を始める。