特にこれといって、心当たりがあるわけでもなく、わたしはぼんやりと思ってみた。とりあえずは料理。朝昼晩作らなくても、わりと残り物を合わせるとちゃんとした感じになるのだと気づいた。煮物はとても良くて、固い根菜がやわらかくなっていてくれたりするし、味を薄めにすると、煮汁がしみても辛くない。
肉じゃが、やや失敗。
きんぴら、少し失敗。
ぶり、ちょっと上手。

デパケン400は、思考力も奪う。
もっともわたしのような、感情論で動き過ぎてしまう人間には、400という大量投与が相応しいのかもしれない。以前はこんなじゃなかったのだが…と思うのはわたしだけであって、周囲から見ると「変わらない」のかもしれない。ただ、攻撃の鉾先が誰に向いているかという問題しかないようだが、そしてそれは、最後は必ず自分に向かう。それを回避したり、緩衝させる上手い方法をわたしがまだ習得しておらず、ゆえに自傷を我慢できない瞬間は訪れる。
1ヶ月に2度ほどのそれを抑え込むと、決まって反撃をくらう。
わたしがほんとうに守りたいのは、もはや何だったのか、誰だったのか。
区別が今はつかないが、少なくとも――
思い浮かぶ顔がある。