白の静寂 黒の沈黙

笑顔で逢えなくても、赦してくれるだろうか。
明日その姿を見たら、わたしは泣いてしまいそうだ。


友の逝くを、数日遅れで知る。何もかもが、夢のようだ。泣けるだけ泣いた。自分の声ではないような声が、喉を震わせる。激しく泣くと、息ができなくなるのは、本当だ。何度も息がつまって、咳き込んで、涙を流した。
普段血圧が低いせいか、わたしは泣くとすぐに頭痛がする。
痛いということは、生きているということなのだ。

昨晩、メールを別の友達からもらったときから、予感はしていた。何かが――不可逆的な何かが、わたしの知らない場所で進み、起こっていた。去年、オフ会で会ったのが、彼女との別れになるなんて、考えたくなかった。思いたくもなかった。また、会いたかった。会いたかったのだ。
あの、優しくて強い彼女に。その笑顔に。

優しくしてくれて、ありがとう。さよならは、言わない。まだ、近くにいてくれるような気がするんだ…この本が手許に、あるからだろうか? 本が好きなら、あげる。うちにはこの本は2冊あるから、1冊あれくにあげるよ。そう言って本をくれた彼女に、わたしはまだ、お返しの本を何もあげてない。
本や映画や音楽が大好きだった…花も好きだった。


もう、8月だ。今年も、暑い。
パラソルをさして、歩こう。
あなたがくれた、優しさと強さをかかえて。