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今までやったことのないことをした。
離れて住んでいる母に助けを求めること。
泣きながら打ったメールは誰のものかと思うぐらい酷い。
周囲に迷惑をかけるくらいなら生きていたくないと泣きわめく。
迷惑もかけないで生きていくことも不可能なくせに、プライドばかりは高い。
いっそこのまま、と思った1日も、やっと終わる。
くたくたになって、酒に手を出す。最悪だ。もちろん酒ぐらいなどで気分は晴れない。すぐに苛々する。泣きたくなる。こんなとき、人はそんな暗い気持ちでなくなるまで酒を求め、飲むのだろうか?
メンタル系の薬が効きにくい体質であることを、心底呪わしく思う。
酒もザルのように飲んだ頃がある。寝るだけ。
主治医に言うと「あ、やっぱり?」…やっぱり?
こんなとき、自分に向かって歌いたいのはB’zの《Love me, I Love you》。金色のベストアルバムに収録されている。かなり古い部類に入るが、この歌を歌うと、少しだけ元気になれる。
『モヤモヤしてるのがイヤならフトンを噛んで考えて
なんかアイツに期待過剰なんじゃないの
人の心はどうしても何か足りないけれど
そこんとこ埋めるべきなのは
恋人じゃない 親でもない ねえ、そうでしょう』
…稲葉がそう言うなら、そうなんだろうな。
だとしたら、何で埋めるのだろうか。
なんて、そんなことは、もうとっくに稲葉が歌ってくれている。
泣いて、泣いて泣いて、罵声も吐いて、怒声もまき散らして、
そしたらあとには、ちっぽけなわたしが残っている。
Love me, I Love you.
愛してやろうじゃないか、そんな駄目な自分でも。それも良いじゃないか。
悪くないと思うよ。
たださ、甘やかすのも、可愛がるのも、愛することとは違うよ。
違いがわかるって、素敵じゃん。
そうして自分を愛せたら、今度は誰かを心から愛せば良い。
そうしたら、驚くくらいの愛も、もらえるから。
それまでは、フトンを噛んでいようじゃないか。
しいたけだって「あいらぶゆー」だよ。